マスクに思いを寄せて(下) ~徐舒さん:日本に送るマスクは 天国の母とのつながり

2020-04-14 19:15  CRI

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花を愛でる徐舒さん

 先週の番組は「マスクに思いを寄せて」と題して、日本の中国語会議通訳の草分けたる存在である神崎多実子さんのエッセーとインタビューをお送りしました。今週は、神崎さんにマスクを送った北京在住の徐舒さんの思いをお送りします。

 徐さんは神崎さんの中学の担任教師である張先生のお嬢さんです。北京在住で、大学教師を経てファッションデザイナーとして活躍。定年退職後、野生動物の撮影が好きになり、北海道やアフリカなど世界各地で撮影旅行を続けてきました。また、乳がんの手術を受けたことがきっかけで、現在は北京の病院で終末期看護、ターミナルケアのボランティア活動も続けています。
 徐さんにはお嬢さんが一人いて、今は東京でジュエリーデザイナーの仕事をしています。今年の3月以降、新型コロナウイルスの感染が日本でも広がり、徐さんは旧知の神崎多実子さんや日本にいる娘に「必要な方にも届けるように」とマスクを送りました。
  新型コロナウイルスの感染が始まった後、最初は日本から中国へ、その後、中国から日本に支援物資が送られるようになりました。この中には、政府間、地方間、産業界同士のマクロの視点でのつながりもあれば、本日ご紹介したような、個人と個人のミクロ的な強い絆もありました。どちらも近き隣人であり、または人によっては、親戚や家族のような両国関係のありのままの姿ではないかと思います。以下は徐さんへのインタビューに基づいてリライトしたエッセーです。

マスクに思いを寄せて(下)

~徐舒さん:日本に送るマスクは 天国の母とのつながり

 話は新中国の成立から間もない東北部の長春に遡ります。1951年、師範学校を卒業したばかりの母・張孟君はこの町にある「東北師範大学附属中学」の数学の教師になりました。

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1979年、神崎多實子さんと張先生との再会

 母が初めて受け持ったクラスには、日本人の生徒3人が編入されました。1953年まで、新中国の建設を支援するために留用された日本人技術者たちの子弟です。その中の一人が、今も親交を続けている神崎多実子さんです。私はいつも親しみを込めて、「多実子おばさん」と呼んでいます。

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2015年夏、張先生を囲んでの集い、右1が神崎さん、右2が張先生、左1が徐舒さん

 愛する母は、3年前の夏に他界しました。しかし、教え子たちは今も母のことを覚えていて、時折、父や私たち家族のことを気遣って連絡を取ってくれています。お陰様で、温かい思い出もたくさんあります。中でも、多実子おばさんは私の中では親戚のような方で、また、私と今は亡き母とを繋いでくれる存在でもあります。

 今年に入り、中国で新型コロナウイルスの感染拡大が起きた後、多実子おばさんは直ちに、武漢支援に義援金を送りました。ウイルスは、その後、日本でも広がり、SNSなどで日本ではもうマスクが入手できない様子の写真を見て、とても気になりました。何とか中国でマスクを見つけて日本に送れないかとずっと考えていました。

 そう思っていた時は、実は中国でもまだマスクが容易に入手できない頃でした。また、私もちょうどリハビリで入院をしていました。ただ、その間、友人が東京にいる私の娘宛てにマスクを送ってみたところ、無事届いたことが分かりました。

 間もなく私は退院しました。帰宅後、さっそく多実子おばさんに連絡を入れ、体調のことや、マスクの有無を確認しました。その時、多実子おばさんは実に遠慮深そうに、「マスクはまだ何枚かあります。しばらくは凌げるので、わざわざ送ってもらわなくても良いです」とおっしゃいました。

 その話を聞いて、私は次のように答えました。

 「多実子おばさんには、マスクを多めに送ろうと思っているのです。多実子おばさんお一人のためではなく、おばさんを通してもっと多くの人にも配ってもらえればと思っています。災難を前に、助け合うことは私がやるべきことですし、天国の母もきっとそうしてほしいと願っていると思います」

 「母の想いでもある」、その言葉が効いたのか、多実子おばさんはこれ以上断らなくなり、快諾をいただけました。

 数日後に、「無事届きました」というメッセージと共に、多実子おばさんからは美しい花束と共に写ったマスクの写真が届きました。そして、数日後にまた連絡をいただき、「送ってもらったマスクは、同僚や友人たちに分け合ってきましたよ」、と。

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舒さんからのマスクが届いた後、神崎さんから送られてきた写真

 ほっとした私は、母の写真に向かって、「届けることができたからね」と合掌しました。

 中日両国の人々が代々にわたって、友好的に付き合ってほしい。これは母と多実子おばさんの同年代の方たちがずっと取り組み続けてきたことです。母はもう天国へと旅立って行きました。しかし、私は母たちの目指すことに向け、微力ではありながら、力を添えることができることを嬉しく思っています。

 マスクを送ること自体は、取るに足らないささやかなことに過ぎません。中国と日本の人々が仲良く付き合うことが、母と多実子おばさんのライフワークでした。今回、新型コロナウイルスの感染拡大で、私はやっとこのようなちっぽけな事をするチャンスに恵まれました。また、これと同時に、今回のことを通してリアルな世界で、母とつながることができたのは、私にとって何とも言えないぬくもりを感じ、素敵な思い出となっています。

 中国と日本の間に起きた歴史は、もう歴史なのです。その中から教訓をくみ取る必要がありますが、今は平和と友好、発展に資する営みが必要でしょう。中日両国の代々にわたっての友好こそが、私たちが描くべき美しいビジョンなのです。

 今の状況下こそ、中国と日本は経験を学び合い、助け合って、難関を一緒に乗り越えていくべきだと思います。

 もっとも、口先だけで叫んでも役に立ちません。一人ひとり、力の及ぶ範囲で何かをやれば良いと思います。

 マスクは、東京にいる私の娘にも送りました。受け取った娘は、同僚や友人、大家さんに分け合い、そして、近所のカフェにも持っていきました。「オーナーはとても優しい人なので、助けが必要な人のことを良く知っている。駅で通り過ぎていく人に配るよりも効果的よ」と娘は言いました。

 どれもささやかなことに過ぎません。しかし、ぬくもりが伝わります。そうです。今、一番必要なものは、お互いのぬくもりと支え合いではないでしょうか。

 中国で感染が拡大し始めた頃に、日本からとてもぬくもりのある言葉と共にたくさんのマスクや支援物資が送られてきました。

 両国とも、無事乗り越えられるように。これが私の祈りです。黒い雲が過ぎ去った後、多実子おばさんのお伴として、中国にいる同級生のご自宅を一緒に訪問したい。また、野生動物の撮影に日本にも行きたい。静かな山奥の温泉に浸かって、ぼうっとしたい。心が落ち着く美しい思いとぬくもりを探しに、またそれを味わいに日本に行きたい。これが、今の私の想いです。

<徐舒さんの作品から>

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【リンク】

マスクに思いを寄せて(上)~中国語通訳・神崎多實子さんに聞く

(文責:王小燕、写真提供:徐舒)

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